宇治市にお住まいのO様より雨漏りのご相談 調査のご依頼をいただき、雨漏りの修繕を目的とした

葺き替え工事をさせていただきました。

 

 

P1020492 20180501_161607

       before                 after

 

 

P1020489 20180501_161044

       before                 after

 

 

P1020490 20180501_161139

       before                 after

 

 

 ~ここから葺き替え工事の施工手順のご紹介です。~

P1020488 P1020491

       写真①                写真②

 

写真①②

今回葺き替えをさせていただく屋根は、O様邸の大邸宅の中の平屋の離れで廊下を通じて母屋と繋がっている造りです。

廊下、縁側の屋根は銅板一文字で葺かれ、後はいぶし瓦葺きと言う純日本建築の様式となっております。銅板一文字葺屋根は見事な緑青に覆われ、何とも言われぬ風情を漂わしています。

 

 

 

20180501_161515 20180501_161656

いぶし瓦葺き部の各所にこの様な凍割れが確認出来ました。

この現象は瓦の内部に含有する水分が、冬場の低気温により膨張・凍結して瓦の内部より割れてしまう事象です。

衝撃による割れ方とは違い、剥がれる様な割れ方をするのが特徴です。

プロの屋根屋ならすぐに見分けが付きます。日当たりの悪い北面に発生する事が多いようです。

今ご覧のこの割れ部より、すぐに雨漏りがするとは言い切れませんが、瓦の劣化状況や残りの耐用年数を推し量る事が出来ます。

ちなみに日本では瓦の三大産地(淡路・三州・石州)の他、いろんな地方でその土地の土で焼いた瓦がありますが、暖かい地方で造られた瓦は寒冷地ではまるで使い物になりません。

時々、町中で異様に凍割れした瓦で覆われた屋根を見る事がありますが、もしかしたら…と思う事があります。

屋根にも自然の摂理が働いているんですね。

 

 

20180501_155407 20180501_155659

       写真①                写真②

 

 

 

20180501_161733 ???????????????

      写真③

 

写真①

銅板一文字葺屋根の棟部の写真ですが、棟(屋根面と屋根面が交わる線上の部位)がうねっている様に見えます。

これは屋根内部で銅板を留め付けている吊り子と言われる部材と釘が野地板から浮いてしまってる現象です。

銅板一文字葺屋根には表面に一本の釘も見えません。それはこの吊子を使い屋根内部で全て留め付けを行っているからです。

ですから仕上がりも美しく見えるわけです。ただし野地板が痩せて釘が緩むと写真の様な現象が起こります。

 

写真②③

よく見て頂きますと銅板に亀裂が入っています。

二枚とも違う箇所を撮影したものですが、亀裂は同じ所に入っています。

これは長年の熱伸縮により、一番銅板が薄くなったところに亀裂が入ってしまったのです。

銅板は柔らかく大変加工性に優れています。叩けばいくらでも薄く延びていきます。

亀裂が入ってしまったところは施工時に叩かれ、下の板の熱伸縮により押し上げられたものと思われます。

こんな微細な亀裂からも雨漏りは生じます。

 

 

20180501_161431

銅谷からも雨漏りしておりました。

隅木とその上の軒天板に波紋状の染みが確認出来ます。

 

 

P1020496 P1020497

いぶし瓦部の解体撤去に取り掛かります。

瓦の下にはびっしりと土が詰められています。

この瓦と葺き土だけで相当な重量になります。

土は瓦と野地板との接着剤の役割を果たしたり、屋根、小屋裏の湿度調整をしたり、瓦より侵入した雨水を吸い取ったりといろんな役割をはたしています。ただやはり重いと言うのが最大の難点で現代建築の理論や手法に合わなくなってきており、何よりも地震対策において使われる事が無くなって来ています。

 

 

P1020500 P1020501

瓦と土を除去すると、既存の下葺き材が出てきます。

初期のアスファルトルーフィングでした。

 

 

P1020503

瓦葺きだった屋根は今回の葺き替えで軽量断熱金属横葺材 スーパーガルテクトを採用しました。

この製品は、屋根材と断熱材が一体化しているのが特徴で弊社では幾多ある金属屋根材ではこちらの製品をおすすめしております。

弊社の施工実績においての信頼性 また長期的な保証内容などが採用の理由です。

上の写真は、屋根の葺き替えの際に取付けをおすすめしております換気棟の排気口です。

 

 

P1020505 P1020507

補強垂木の取付けを行います。

既存垂木の上にしっかりと留め付けます。

 

 

P1020512 P1020513

12mm構造用合板を貼っていきます。

これにより、屋根構面を強化して耐震性を高めます。

また合板を敷き詰める事により、どこにでもビスが効くようになります。

 

 

P1020602

屋根構面取付型の樋受けを付けた後に、軒先水切を取付けます。

 

 

P1020601

改良ゴムアスファルトルーフィングを合板の上から貼りスーパーガルテクトの本体を葺いていきます。

 

 

20180501_160733 20180501_161234

スーパーガルテクト葺きの完成です。

この屋根の形は、寄棟と呼ばれ三角面と台形面により構築されています。

綺麗に仕上がりました。

 

 

~ここからは下段部の工事のご紹介です。~

P1020517 P1020518

P1020520

美しく屋根を覆っていた銅屋根でしたが、穴が開いて雨漏りすれば葺き替える他ありません。

シーリング材の充填による応急処置が出来ますが、根本的な解決には至りません。

この屋根部は嵌合式立平葺きでの葺き替えをさせていただきました。

まずは、既存銅屋根の撤去からです。

捲りますと既存下葺きが現れました。フェルト紙が敷いてあります。

 

 

P1020522 P1020523

P1020524

不要な下葺きは除去して、既存屋根構面の上に上段屋根と同じく12mm構造用合板を貼ります。

 

 

P1020566 P1020565

改良ゴムアスファルトルーフィングを敷く前に、樋受けを取付けます。

こちらは屋根構面に取付けるタイプで、足場が必要としないので足場を掛けられない場所では、大変重宝します。

 

 

P1020573 P1020574

P1020575

こちらも上段屋根と同じく改良ゴムアスファルトルーフィングを下葺きします。

 

 

P1020578

上の写真の白いシート状のものは、ペフと呼ばれるものです。

厚さ4mmのスポンジ状のシートで、断熱性・緩衝性があります。

断熱性で言えば、スーパーガルテクトに裏貼りされた断熱材には劣りますが、この部位に使用する屋根材には断熱材が裏貼り出来ないため、先に屋根に敷いて置く事になります。

従って、余り厚みのある断熱材は使用出来ません。施工性との兼ね合いでこの製品を採用しました。

また伸縮性・追従性に優れていますので、板金屋根特有の降雨時の音鳴りを軽減出来ます。

 

 

P1020581 P1020597

こちらが嵌合式立平葺きです。

上段の屋根に葺いたスーパーガルテクトが横に屋根材を継いで葺き上がっていくのに対し、この屋根材は水下から水上(軒先から棟まで)を1スパンとし、横に並べて葺いていくタイプです。

葺き方向が横となるため、正反対のタイプの屋根材となります。

この立平葺きを使用する最大の理由は、緩勾配に適しているからです。

通常一つの建物の複数箇所の屋根は使用する屋根材を統一して葺きますが、緩勾配の屋根が混在すると、屋根材を変えなくてはいけません。

屋根材には、適応勾配というものがあり、緩勾配で瓦や横葺き材を使用しますと雨漏りしてしまいます。

日本瓦は通常4/10 金属横葺きで3/10が最低限必要な勾配と言われております。

*各瓦メーカーや建材メーカーの創意工夫により上記以下であっても使える製品はあります。

 それに対しこの立平葺きは100/5から使用出来ますので、この様な緩勾配屋根に適している

 訳です。

 

 

P1020599 P1020603

嵌合式立平葺きも完了しました。

屋根の形状も凹状の部分もあり、複雑な形状では有りましたが綺麗に収める事が出来ました。

 

 

DSCN0058 20180501_161323

雨漏りの修繕工事として、屋根も樋も新調させていただき綺麗になって私共も大満足です。

雨漏りが止まる事は勿論ですが、工事をしていただいた事で快適性が増すなどの付加価値があり、また最新の超高耐候性ガルバリウム鋼板で屋根を覆えた事で長期メンテナンスフリーを実現出来ました。

 

O様 この度は工事をご依頼いただきまして、誠にありがとうございました。