京都市北区にお住まいのK様より 屋根の葺き替え工事をご依頼いただきました。

昨年の台風で大屋根の瓦が下屋根に落下して雨漏りし、修繕をお考えになられてましたが、K様邸の屋根を構築してる面でこの面が相当古く(大屋根や他の面はお手入れ済みでした)、思い切って葺き替えをしていただく事になりました。(部分葺き替えです)

 

 

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~ここから葺き替え工事のご紹介です~

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今回葺き替えをさせていただく面は切妻二面です。

瓦の差し替えはかなりの枚数がされていますが、古い瓦になると建てられた当時のものも残っていました。

瓦と土の重みと木材の乾燥 経年劣化により、大棟は下がってしまってます。

また土もボソボソサラサラの砂状になり、瓦ズレが広範囲に渡って見受けられます。

 

 

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一部はこの様に大きくズレて、落ちかかっていました。

 

 

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       写真①                 写真②

 

 

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       写真③                 写真④

 

写真①②③④

瓦屋根の解体の模様です。

写真②は棟を崩した後ですが、土が湿気て黒ずんで見えます。

触っても湿ってました。このように一見外観では大丈夫に見えても棟内部に水が廻ると下の野地板を腐らせてしまいます。

 

 

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       写真⑤                 写真⑥

 

写真⑤

土を丁寧に除去していきます。

この作業でもっとも気を遣うのが土埃の飛散です。

京都市内の住宅密集地での瓦の撤去工事においては、足場架設が不可能な現場も多く、土埃の飛散を少しでも防ぐため色々な工夫を凝らします。

 

写真⑥

土を取り終えると下葺きの杉皮が現れました。

 

 

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       写真⑦                 写真⑧

 

 

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       写真⑨                 写真⑩

 

写真⑦⑧⑨

土を除去して、所々に貼ってあったトントンを捲ります。

トントンとは薄い木片を魚の鱗状に屋根に貼り敷き詰める下葺き防水の事です(写真⑩)

また杉皮も除去します。すると野地板が出現しましたが、細い棒状の板で屋根構面を構築しておりました。杉皮が分厚いのでそれで瓦と葺き土を支えていました。

ただ、耐震性は無いため 今回の工事で屋根に構造用合板を張り詰め耐震力を確保出来た事は非常に良かったと言えます。

 

 

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       写真⑪                 写真⑫

 

今回の工事では、断熱を重視した屋根工事をさせていただきました。

厚さ30mmのスタイロフォームを屋根に敷き詰めた後、12mm構造用合板を貼る屋根断熱工法を採用しました。

以前に採用した実績のある工法で、好評をいただいております。

 

写真⑪⑫

屋根に対して横、縦方向に下地を組んでいきます。

横方向の下地は、既存屋根の水平のたわみを修正しながら取付けます。

縦方向の下地は、合板の取付下地となります。

 

 

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       写真⑬                 写真⑭

 

写真⑬

屋根の水平構面が悪い場合(垂れ下がりや波打つ様な)は糸を張りパッキンで調整していきます。

 

写真⑭

水平構面が出来ました。

 

 

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       写真⑮                写真⑯

 

 

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       写真⑰

 

写真⑮⑯⑰

不陸(屋根構面の不具合)が著しい場合はパッキンでは追いつきません。

木下地を何重に重ねる事もあります。

垂木まで撤去をして梁の取替えまでしますと、新築並の屋根構面に成りますが、一日で出来る仕事量と工事中に雨が降った場合の養生を考慮すればリスクが高過ぎます。

ましてやこれからの季節 ゲリラ豪雨対策で屋根解体の日はスマホの天気アプリと一日中にらめっことなります。

天気急変に備えて、いかに迅速にシート等による雨養生が出来るかが大切な事となります。

 

 

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       写真⑱                写真⑲

 

写真⑱⑲

縦桟の内々にスタイロフォームをはめ込みます。

その上から12mm構造用合板を貼っていきます。

 

 

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合板を壁際まで貼り上げます。

 

 

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こちらは前出の入母屋部を反対から撮影した写真ですが、ここもスタイロフォームを敷き詰め、合板を貼ります。

 

 

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こちらは広い面です。

手順も内容も同じです。

 

 

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合板を貼っていきます。

この時にスタイロフォームと合板の間に5mm程度の隙間が発生します。

わずかな隙間ですが、軒先から棟にかけて一定の隙間があるので空気が循環します。断熱効果を高めます。

 

 

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反対面も同様に施工を進めます。

 

 

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右の写真が貼り上がりの写真です。

屋根のむくり(屋根の縦方向)はそのままに 水平構面(屋根の横方向)はレベルで貼りました。

 

 

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       写真⑳                 写真㉑

 

 

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       写真㉒

 

写真⑳㉑㉒

改良ゴムアスファルトルーフィングを貼ります。

屋根材の下に敷く防水シートです。

屋根材が一次防水となり、このルーフィング下葺きが二次防水となります。

屋根はこの様に二重の防水システムで雨漏りを防ぎます。

 

 

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板金を谷樋に加工して取付けます。

今回の工事で葺き替え部の瓦は、(株)ケイミューのルーガ雅を採用しました。

屋根の軽量化を図りたかったので、いぶし瓦や陶器瓦は外しました。

ただ他面の屋根が瓦だった事、お隣に大きなお寺がある事、また京都市の景観条例も考慮して樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦の波状瓦であるルーガ雅に決めていただきました。

この谷樋を境に屋根材は縁が切れます。捲り上げた陶器瓦(既存部)は復旧します。

 

 

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       写真㉓                 写真㉔

 

写真㉓

ルーガ雅葺き部は、軒先の板金役物を取付け 割り付けの墨出しを行います。

割り付けの墨出しとは、屋根の長さ(軒先から棟まで)を瓦の段数で割り 瓦が収まる様にする工程です。

その際に屋根構面に直接墨打ち(墨壺と言われる道具を用いて、墨汁を含んだ糸を弾き 線付けをする)をします。

 

写真㉔

屋根に打った線に沿って 瓦を釘で留め付けていきます。

 

 

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地伏せ(平部の瓦を葺き進める事)の様子です。

 

 

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地伏せを進め、棟の付近まで葺き上がりました。

 

 

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       写真㉕                 写真㉖

 

写真㉕

換気システムの棟換気を取付けるための開口を棟部に開けます。

ここに開口を設ける事により、天井裏の熱気を外部に排出します。

黒く見えるのは開口部より雨漏りを防ぐための水切です。

 

写真㉖

最終段の瓦を葺く前に棟金物を取り付けます。

その後、瓦を葺きます。

 

 

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       写真㉗                 写真㉘

 

 

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       写真㉙                 写真㉚

 

写真㉗㉘

棟に樹脂製人工木を通します。

樹脂ですので腐敗しません。

これが棟を支える土台となり、またビスで留め付ける下地となります。

 

写真㉙㉚

ルーガ雅の棟には二種類の仕様があります。

標準的な仕様である平棟仕様と、日本瓦の棟熨斗五段積み素丸棟に相当する高さに仕上がる高棟仕様とに分かれます。

高棟仕様の方がより和風に仕上がりますので、こちらを採用しました。

 

 

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       写真㉛                 写真㉜

 

入母屋部の施工の流れです。

 

写真㉛

地瓦を葺き上げました。まだ役物は何も付いてません。

 

写真㉜

破風板を板金で巻き、袖瓦を取り付けます。

瓦の壁際に木下地を取り付けます。板金水切の下地になります。

 

 

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       写真㉝

 

水切を取り付け、壁に波板を貼って完成です。

 

 

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色々な箇所 角度から撮った仕上がり写真です。

時間を掛けて下地を直して瓦を葺いた甲斐があります。

とても美しく仕上がりました。

K様にも大変喜んでいただきました。

最後に、K様 工事をご依頼いただきまして、誠にありがとうございました。