中京区にお住まいのS様より雨漏りで困っておられる旨のご連絡をいただき、お伺い致しました。

いろいろと調査を進めていくにつれ、大変な事になっていることが判明しました。

 

 

DSCN2000 IMG_2426

    before         after

 

上はいわゆるビフォーアフターの写真となり、一見すればただ単に外装を一新した工事を行ったように見受けられます。

実際には雨漏りにより大変な被害を被っており、木部の構造体に深刻なダメージを受けていました。

 

 

~外壁雨漏り修繕編~

 

DSCN1996

ここが一番問題になっていた所です。

窯業系サイディングボードの鎧張りと言われる工法で外壁が構築されていました。

 

 

DSCN1997 DSCN1786 DSCN1783

この角(サイディングボードのコーナー)に一番の問題がありました。

アップの写真をご覧戴くと、ボードとコーナー役物のジョイント部に打たれているシーリング部が破断しております。

そして最悪なことに木部の構造体とサイディングボードの間に防水シートの施工がなされていませんでした。

サイディングボードとサイディングボードの継ぎ手やコーナー役物とのジョイント部は、シーリング剤を打設して雨水の侵入を防ぎます。

しかしながらシーリング剤は経年劣化でいずれこのように破断します。

防水シートが張られていれば、たとえシーリングの破断部から雨水が侵入しても防水シートを伝って下まで流れ落ち、最終的には外部へ排出されます。

木部の構造体の腐蝕を防ぐことが出来ます。

かといってそのまま放っておいてもいいと言うことではありませんが、、、

このように時々防水シートが張られずに雨漏りし、深刻なダメージを受けた建物を見ることがあります。

住宅密集地で隣との隙間がなく、内張り工法でサイディングボードを張る場合などは防水シートを張ると施工がしにくくなるため嫌がる職人もいます。

張ろうと思えばどのようにでも張れるものですので、建築物はいかに施工者のモチベーションやスキルに性能や仕上がりが左右されるものかと改めて痛感しました。

施主様は建設会社や工務店を信用して工事を託す訳ですから各職工に対する施工管理がいかに重要であるかが伺えます。

 

 

DSCN1762 DSCN1765 DSCN1760

サイディングボードを撤去しました。

想像以上でした。

柱や梁は3階まで蟻害にみまわれていました。

シロアリによる被害です。

通常シロアリは自身の体液を分泌して木を食べていきます。

その限界値は高さ1m80cm程度と言われていますが、木に水分が多く含まれていますとその限りではありません。

その含まれた水分でいくらでも食い上がっていきます。

これが雨漏りとシロアリによる蟻害の関連性となります。

 

 

RIMG4822 RIMG4824 RIMG4819

こちらは室内の写真となります。

和室ですので畳敷きですが、畳を捲りますと大きな蟻害の痕跡が確認されました。

この場所には棚が据えられていたため気付かれなかったそうです。

 

 

RIMG4823

畳の裏側もボロボロです。

 

 

DSCF4334 DSCF4335

既存の土台が蟻害と雨漏りによる腐食でボロボロでした。

通し柱も蟻害と腐食が進行しておりましたが、柱の芯は十分に残っていました。

土台と通し柱を取り替えるのは費用・工期ともに大変なものになりますので、既存の基礎の横にもう一つ基礎を設置して新たな土台と柱を据えて、室内側にも同じように柱と梁を据えて傷んだ柱を抱き合わせて挟み込む工法を採用しました。

上の写真はその基礎のアンカーと配筋の写真となります。

 

 

DSCF4337

コンクリートを流し込む型枠を設置します。

 

 

IMG_1990c

コンクリートが十分に固まれば型枠を外します。

 

 

IMG_1992c IMG_1991c

新しい土台を据えたら、通し柱を二本建てます。

室内側に建てた柱と挟み込んで金物を通し、ボルトで緊結します。

 

 

IMG_2015c

基礎廻りです。

さまざまな金物を使用します。

 

 

IMG_2011c IMG_2012c

室内側から撮った写真で、写真をご覧戴くと大きな梁が見えます。

このように構造体を強化していきます。

 

 

IMG_2016c IMG_2017c

数多くのボルトにより、梁が取り付けられています。

この補強により以前にもまして強度が確保出来ました。

 

 

IMG_2028c IMG_2027c

外部にはサイディングボードを張る前に構造用合板を張ります。

耐力壁とするためです。

 

 

IMG_2041c IMG_2042c

構造用合板の上から、防水透湿シートを貼ります。

サイディングボードからの万が一の漏水に備えることと構造用合板を結露から守るためです。

 

 

IMG_0035 IMG_0036

室内側も構造体強化の後の復旧を進めていきます。

断熱材を柱間に入れていきます。

 

 

IMG_0040

内壁にも構造用合板を張ります。

 

 

IMG_0030 IMG_0032

こちらは通路にあたる所です。

こちらにも断熱材を差し込んでいきます。

 

 

IMG_2346 IMG_2348

最後に石膏ボードを張り、選んでいただいたクロスを貼ってここは完成です。

 

 

IMG_2344 IMG_2343

雨漏りが一番激しかった和室も内装工事が完了しました。

壁は手を入れていない部分に合わせて一番近い色の聚楽壁調クロスで仕上げました。

畳は一枚のみ新調しました。

一見すると、とてもあのような大工事が行われていたような形跡がありません。

 

 

IMG_2342 IMG_2345

天井も天井板を新設しました。

 

 

DSCN1996

この雨漏りは一カ所ではありませんでした。

上の写真の右側の壁から別の雨漏りがありました。

 

 

DSCN1756

既存のサイディングボードを捲るとここにも雨漏りがありました。

ここの梁は構造上、取り替えが非常に困難です。

室内側の床と壁を一旦解体して内側から梁の補強をする事としました。

 

 

IMG_2005c IMG_2023c

雨漏りで腐食した部分は削り取り、埋め木を施し修復します。

 

 

IMG_1994c IMG_1993c

室内からの写真です。

既存フローリング床を切り取り、壁も柱を残し撤去しました。

そこへ梁を二本設置します。

梁の上に梁を載せてボルトで貫通させトルクをかけて締め付けます。

室内に梁の高さだけ段ができますが、強度を確保出来ます。

 

 

IMG_1996c IMG_1995c

載せた梁は柱ともボルトで接合します。

 

 

IMG_1997c

もう一本梁を交差するように、既存の梁に抱き合わせます。

 

 

IMG_0005 IMG_0006

二本の梁に下地を施します。

 

 

IMG_0007 IMG_0008

下地の上に構造用合板を張ります。

雛壇の天場になると同時に更に強度が増します。

 

 

IMG_0015 IMG_0017

室内で抱き合わせた梁の上部に床下地を施し、構造用合板でフローリング下地を造ります。

 

 

IMG_2001c IMG_0021

壁を復旧していきます。

断熱材を差し込んでいきます。

 

 

IMG_2349 IMG_2352

内装工事が完了しました。

壁はクロスで仕上げ、雛壇の天場には床と同じフローリングを張りました。

こうする事で一体感が出て、デザインされた空間のように思えます。

 

 

IMG_2351 IMG_2350

フローリングは板目の向きを変えて全面新調しました。

 

 

IMG_2046c 1555546363002

外壁には金属サイディングを採用しました。

縦胴縁を流し、通気層を確保します。

断熱効果を発揮します。

 

 

1555546356750 1555546360353

隣接建物と距離が近いので各職工はいろいろと気を遣い作業を進めました。

 

 

IMG_2428

完成しました。

少し奥に見えるのが新設したサイディング壁です。

手前の壁とはアクセントをつけるために色を変えました。

次回は引き続き屋根の葺替え工事、外壁塗装などをご紹介したいと思います。