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中京区にお住まいのN様より屋根の葺き替え工事をご依頼いただきました。

築80年を超える伝統構法で建てられた京町家で、ある日突然激しく雨漏りしだし、とある屋根工事店に緊急でシートを掛けてもらったそうです。

その後本格的な修理をお考えになり各社のホームページをご閲覧になられたそうです。

弊社ホームページをご覧いただいて京都市の耐震リフォーム支援事業をお知りになり、お問い合わせ下さいました。

現在平成29年度の同制度は4月10日より受け付けが開始されております。

今ご紹介させていただいておりますN様邸は昨年度の制度を利用したものです。

助成対象となる工事メニューや助成金額等はほぼ変わりなく本年度も継続されております。

 

 

下の写真は同じ位置から撮影した写真です。

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 こちらは違う方向からの写真となります。

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        before                                           after

 

 

建物全体の写真です。

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        before                                           after

 

 

 

~ここから屋根工事工程となります~

 

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足場を組みます。

 

 

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着工前の写真です。

雨漏りのひどいところにシートがしてありました。

耐震リフォーム支援事業は屋根の雨漏りの有無は問われません。

雨漏りの修理・修繕を期にこの制度を利用される方が多いように思われます。

 

 

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掛けてあったシートを捲り、瓦の撤去に取り掛かります。

 

 

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瓦を捲り降ろしていきます。

耐震リフォーム支援事業の屋根メニューの助成金を受け取るには条件が有り、土葺き瓦を葺き替えるのも条件となります。

従って葺き土の無い桟掛け瓦工法は対象外となります。

相当な重量で建物に負担をかける土を取り除く事が耐震力を上げる事につながる訳です。

これを行う事を京都市の耐震リフォーム支援事業の工事メニューの一つ 屋根の軽量化となります。

耐震力を高める重要な工事の一つと言えます。

 

 

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葺き土を撤去すると下葺きが現れてきます。

近年では下葺材はゴムアスファルトルーフィングなど防水シートが主流となっておりますが、築80年ともなりますとそのような下葺材が開発される以前となりますので、伝統的な工法でトントンと呼ばれる薄木片を細かく下葺きしてありました。

この薄木片も取り除いていきます。

 

 

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トントンを捲りますと野地板が現れます。

現在は一般的に野地板は12mm構造用合板が用いられます。もちろん鉄骨造やRC造など躯体の構造により違いがありますが在来木軸工法では多用されております。

昔の京町家などの伝統構法で建てられた建造物はこの様なバラ板を野地板として用いられました。

この様に細長い板を隙間を開けて貼る為、地震の時に起こる複雑な揺れに対しては弱く、屋根の崩落などの被害を免れません。

 

 

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京都市の耐震リフォーム支援事業の工事メニューに屋根構面の強化というものがあります。

前出の脆弱な野地板に対して12mm構造用合板を増し貼り等して、全面隙間無く敷き詰め屋根構面を緊結します。これにより地震の揺れに対しての屋根の崩落などを防ぎます。

屋根の軽量化と同時に行います。なぜなら軽量化されても屋根構面が弱いと耐震力を高めた事にはならないからです。

 

 

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 防水シートを敷きつめます。

 

 

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屋根材の新設に取り掛かります。今回は金属屋根材の中でも軽量で施工性に優れ、コストパフォーマンスの高い嵌合式立平葺きを採用させていただきました。どのような屋根材にもメリット・デメリットはあります。

こちらの屋根材は、降雨時の板金屋根特有の音鳴りや盛夏時の室内温度の上昇などデメリットとなる面もありますが、ご予算や今後のメンテナンスに対するお考え方などにより嵌合式立平葺きがベストと判断致しまして、ご提案をさせていただきました。

 

 

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       瓦撤去前            撤去後 既存土葺き

 

 

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   葺き土撤去 既存野地板        12mm構造用合板貼り

 

 

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 ゴムアスファルトルーフィング下葺き     嵌合式立平葺き新設

 

 

京都市の耐震リフォーム支援事業の改修工事におきましては、屋根の軽量化と屋根構面の強化は必ず屋根全部に対して行うと言う事と定められております。

つまり,

例えば大屋根より雨漏りがしているので大屋根の雨漏りの修理・修繕を兼ねて大屋根のみ軽量瓦に葺き替え工事をおこなった場合は、助成金は支給されません。

その建物に付随する屋根(下屋根を含む 但し庇は除く)が全て工事の対象となります。

耐震リフォーム支援事業の趣旨は建物の耐震化を計ることで、雨漏りの修理・修繕を目的とはされていないからです。

上の写真は、左上から順に葺き替え工事の手順通りに並べたものです。

 

 

 

~ここから外壁工事工程となります~

 

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    既存外壁 工事前             既存波板撤去後

 

 

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    防水・透湿シート貼り

 

 

耐震リフォーム支援事業の工事メニューの中に外壁等の劣化部分の修繕というメニューがあります。

これは耐震改修工事をおこなう際に、付帯工事として外壁等の修繕をすれば助成が受けられるというものです。あくまでも付帯工事においてと定められておりますので、この工事のみをおこなった場合は対象外となります。

今回は屋根の軽量化・屋根構面の強化工事と併せて、外壁等の劣化部分の修繕を対象工事として助成申請致しました。

このメニューはこういった鉄板波板の貼り替え工事にも適用されます。

この工事では5万円の助成金を受けれます。

 

 

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     鉄板波板新貼り             ベランダ周り

 

 

 

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     ベランダ周り            外壁工事完了後 建物全景

 

 

 

~ここからは耐震リフォーム支援事業の対象外工事となります~

 

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        before                                           after

 

 

耐震改修工事とは別に中庭の改修工事もさせていただきました。

シャッターの撤去と外壁の改修、塩ビ波板屋根のやり替え工事です。

上の写真は不要となったシャッターを撤去して新たに扉を付けました。

外壁も木下地からやり替え、鉄板波板を新調しました。

 

 

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解体工事の途中です。

 

 

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塩ビ波板屋根からポリカ波板屋根に替えました。

今はポリカ波板が主流となっており、耐候性・強度共に塩ビ波板はポリカ波板に及びません。また屋根躯体の木下地も全て取替えます。

 

 

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 このように変わりました。以前より採光がとれ、とても内側が明るくなりました。

 

 

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        before                                           after

屋根上部の波板は既存のまま残しました。

こちらはいつでも上から同じ波板にてカバーをする事が出来ます。

 

 

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工事が全て完了致しました。上の写真は建物との取合いのものです。

今回の耐震改修工事で屋根の軽量化で20万 屋根構面の強化で10万 外壁等の劣化部分の修繕で5万計35万円の助成金を受ける事が出来、N様にはとても喜んでいただく事が出来ました。

今回のように、雨漏りの修理・修繕を期に耐震リフォーム支援事業の助成金制度を利用して葺き替え工事の負担軽減を図る事が出来ます。いろいろと条件等はありますが、制度の利用の可否などお問い合わせを頂きましたら、お見積もりから手続きの代行まで無料にてさせていただきます。

最後にN様 この度は誠にありがとうございました。